山越えで水の木沢へ
今回は、山伏峠を越えて菰釣橋まで下り、世附川上流、水の木沢を釣り登る予定である。いつもより1時間早く6時出発することとなった。
2010年9月の集中豪雨で世附川流域が何カ所も崩落し、大打撃を受けた。もう丸2年が過ぎようとしているが、いまだに復旧はされていな。世附川上流の水の木沢は川底が白く、東京近郊の沢では群を抜いて美し山岳渓流である。ここにに棲む岩魚、ヤマメは白く透明感がありキレイな魚たちである。地図を眺めながらなんとかこの沢に降り立ちたいと思いを巡らせていた。沢登りのblogなどを見ていると、山伏峠〜大棚の頭〜水の木分岐〜西丸〜沖ビリ沢〜金山沢〜菰釣橋〜水の木沢へのルートがあるようだ。この西丹沢には沖ビリ沢、西沢、樅の木沢、水の木沢があり沢登りの人気フィールドである。
8時15分、山伏トンネル河口湖側に車を止め、トンネルを道志側の登山道入り口まで戻り8時30分、登り始める。大棚の頭、水の木分岐までは40分程で到着した。10分程休憩し西丸北鞍部までは藪こぎの下りである。登山ルートの断面図(標高差)は見た目よりけっこうな下りであった。上の図は実際に歩いた時に感じた標高差のイメージで作り直した図である。高度は実寸比にし、距離を実寸の1/2に縮小した図つまり高度を2倍にして表現してある。それほど急勾配だった印象なのである。沖ビリ沢まで尾根を下りながら、帰り道、この道を上り返すのは倍以上の時間と体力が必要だと考えると気が滅入る思いであった。
水の木分岐から西丸北鞍部までの藪こぎも思ったよりクマザサの丈もあり、おまけにけっこうな下りで長丁場である。いつクマが出てきても不思議ではない。不気味な獣道状態である。沖ビリ沢までの尾根筋入り口はハッキリとここだという場所は見つけられず、何となく踏み跡を確認しながら下り始めた。途中何度も踏み後を見失いながら、いっそう急勾配になる尾根筋を下っていった。天気も予報通りの雨模様である。尾根左下から雨音なのか沢の音かかすかに聞こえてくる。少し足を早め下を覗き込むと小さな沢が見えてきた。水の木分岐から下り始め約2時間。沢に降り立った。雨も随分降ってきた。予定より少し下流に降り立ったようだ。沖ビリ沢出合より下、金山沢のようである。
さらに沢を下り始めるが段差も有り、まだまだ下りが続く。そろそろ水の木林道の最終地点の大石につくはずであるが結局それも発見出来ない。帰りのことを考えるとこの辺りで引き返し、釣り登りながら帰りのことを考えた方が良さそうである。
少し休憩し釣り支度を始める。沢は小さいがポイントはいくつも有りそうである。ルアーを泳がせるには少しきつそうではあるが…。釣り始めると少し疲れを忘れた。30分くらい釣り登っただろうか、アタリはない。12時少しを過ぎていた。雨もあがったのでコーヒーを入れ昼飯にする。疲れも少し癒やされる。
食後、釣り始め、Sさんが数尾の岩魚を釣ったが、ぼくには一度アタリがあったのみ。気がつくと既に1時30分である。雨もかなり降ってきた。釣り足らないが、先行しているSさんに声を掛け帰り道を急ぐ。少し沢通しに登って行くと、Sさんが、降り立った場所より200〜300m下流右岸に、水の木分岐への標識をみつけた。来た道を帰るつもりであったが、そこを登ることにする。
登り始めるも、登っても、登っても、何処までも急な登りである。少しも緩やかにはならない。足下は雨でドロドロ、滑る。体中ずぶ濡れ。下着までビショビショである。5m程登っては立ち止まり、10歩登っては、木にもたれ込み、そんな繰り返しである。Sさんもかなりばてている。往きよりは踏み後がしっかりしていたが、西丸の北、鞍部アタリ?で踏み後が消えてしまい、少し右往左往したあげく、道が見つからず、頂上を目指す。この最後の登りが結構急で二人とも、もうヘトヘト。16時、頂上に到着、少しだけ残っていた水を飲み干し、水の木分岐へは30分ほどでたどり着く。ベンチで15分おど休憩。ここまで来れば後は下り。ほっ! 体も冷えてきたので急いで下山。駐車場に着いたのは17時。幸いにも雨は上がっていたので着替えは濡れずに済ますことが出来た。帰り道志温泉へ寄り一日の疲れを癒やす。至福の時。
あ〜しんどかった! でも新鮮な気分! いつかリベンジかな!